おとしばなし
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先日、某先生の御手配で久々に連れて行って頂きました。
第二十六回東西落語研鑽会覚書@有楽町よみうりホール。
タイトルにある通り江戸落語と上方落語の入り混じった噺の会。
両方楽しめてあーらお得。

以下、番組概略。

●『権助提灯』 柳家三三
まったく焼餅を妬かない奥さんと殊勝なお妾さんに恵まれた、
幸福な旦那さんのおはなし。
って書くとだいぶ違うんだけどね。
有名な作品のひとつで、私も活字で読んで知っていたネタである。
生で見ると後半のたたみ掛けが素晴らしい。
権助のうろんな感じの芝居もいい。

三三師匠は小三治師匠のお弟子さんとあって、非常に端正な話し手でした。
好きだな。
調べてみるとまだ33歳。
このくらいの年齢でこれだけちゃんと古典を演じられる人がいると思うと、
門外漢としてはなんだか安心してしまうのでした。

そういや三三さんのときだけ客席の照明が落ちてて、
終わってからはずっと明るかったんだけどなんでだろ。
どういう演出なのかしらん。

●『鋳掛屋』 桂春団冶
『浪花恋しぐれ』にも歌われた上方落語の大名跡は現在三代目。
実は春団冶師匠の高座は学生の頃に見たことがある。
ウチの高校で呼んで来てもらったのだ。
ネタは『代書屋』だったか『子ほめ』だったか。
大昔の話なんでもう覚えてないや。

以来四半世紀。
並び称された文枝師匠も鬼籍に入り、三代目の頭ももう真っ白である。

「古典をそのままの形で伝えようとする」(某先生談)春団冶師匠は、
マクラで簡単に噺の来歴を紹介してから演目に入った。
舌打ち混じりの関西弁で、
壊れた鍋釜を直して歩く鋳掛屋のおやじと、
生意気な子供たちとのやり取りを活写してゆく。
今はほとんど見かけなくなった商売と民俗を伝え残す、
こういうのも古典落語の楽しさである。

言葉自体にも現在は使われなくなったものが混じるため、
早口と相俟ってところどころは何を言ってるのか聞き取れない。
おじいちゃんだしなあ。
ただ、それでも笑わされてしまうのだから凄いとしか言いようがない。

老いたりとはいえ、
噺の途中にさらりと両肩から羽織を落とす粋な仕草はそのままだった。
高校生の頃「綺麗に脱ぐなあ」と感心したのを思い出したよ。

●『あくび指南』 柳家小三治
小三治師匠はイナセの人である。
風貌といい人となりといい喋りといい、
生粋の江戸ッ子であり絵に描いたような噺家だ。
なんつったってハ行の発音がぜんぶサ行になっちまうんだから、
たまんねえや畜生べらぼうめ。
オイラが女だったらもう惚れちまうね。
下敷きに写真いれちまうね。
その程度かよ。

ネタは古典中の古典。
「あくび指南所」であくびを教わる男と教える(「おせえる」と発音したい)先生、
付き合わされた留公の様子を描くシンプルなおとしばなし。
途中にあくびを含めたさまざまな仕草が入るため、
小三治師匠がどう演じるのか楽しみだった。

おはなしの芸である落語における仕草というのはちょっとした見どころである。
「動きで笑わすのは邪道」みたいな考え方もありますけどね。
おなじみ扇子と手拭使ってそば食ったり帳面付けたりとか、
そういうちょっとした所作が洗練されてると、
「おおー」って思うじゃないですか。
仕草で笑わせるってえのもその延長じゃアないでしょうかねえ。
そりゃヘタすりゃ下品になりますけどね。
だからこそ練り込まれた芸で見てみたいと思う。

やってたね小三治師匠。
顔芸で満場の笑いをかっさらってたね。
ザブングルも真っ青だね。
それでもやっぱりカッコいいんだからずるいやね。
生徒手帳にプロマイド入れてもいいと思ったよ。

春団冶師匠主演の映画『そうかもしれない』の宣伝に終始したマクラも面白かった。
小三治師匠も通行人A役で出てるそうで見てみたいが、
それには「ツタヤに行く」「その時に覚えている」「在庫がある」の、
3つのハードルをクリアせなならん。
最後のやつが結構高いような気がするな。
頼むぞツタヤ。

仲入り後

●『茶の湯』 春風亭昇太
昇太師匠は直接の面識はないものの因縁浅からぬ間柄だったりする。
サギサワ先生が昔一緒にラジオやってたし。
大昔近所の商店街でヨタローのロケやってた際にサインもらったし。
自分で色紙買ってサインもらった唯一無二の経験っす。

印象としては「バラエティと新作落語の人」なので、
これまた江戸落語の古典『茶の湯』をどう演じるのかたいへん興味があった。
いやー、さすがでした。
ネタを弄ったりはしていないにもかかわらず現代風なのさ。
たぶん観客とのトークとしての話芸なんだと思う。
対話の中で古典のネタをちゃんと話して聞かせ、
どっかんどっかん笑いを取る。
会場の空気を読み掴み、お客を乗せてゆく芸なのである。
そういう意味では本来古典の人ではないのかな。
でもやっぱりすげえと思ったよ。

内容はけちなご隠居が前の住人のおさがりの道具を頼りに、
自己流で開発した茶の湯のお話。
飲まされたお客たちの苦しみっぷりが楽しい。

20年ばかし前、
「柳昇師匠んとこに昇太っていう面白いのがいて、師弟そろって滑舌が悪い」
と評したのは山藤章二だったかな。
それは相変わらずでした。普通に言い直したりしてたよ。

●『天下一 浮かれの屑より』 林家染丸
染丸師匠は上方落語界の重鎮である。
兄弟子に林家小染がいたが、
1984年のある日泥酔し「わて死にますでー」と車道に飛び出して本当に死んでしまった。
以来、上方の林家一門の総帥をつとめている。

「こないに宣伝ばかりしてやらしいですけど」と言いつつ、
『ちりとてちん』の落語監修・指導、さらに出演してる件をマクラで力説しておられた。
次の御出演は2月18日だそうです。

ネタは紙くずを選り分ける「屑より」の仕事を押し付けられた居候が、
屑に混じる手紙や本、
隣の稽古所から聞こえるお囃子(生演奏)に釣られ、
浮かれて踊り歌い出すという、
いわゆる音曲噺である。

これは凄かった。
面白いとか楽しいではなく凄いのである。
なにしろ義太夫も謡も娘道成寺もなもかも全部ひとりでこなしてしまうのだ、染丸師匠。
こちとらその辺はまったくドシロウトなので、もちろん右も左もわからない。
わからないが凄さだけはびんびん伝わってくる。
一点の破綻もない、これは完成された芸なのだ。

「うわー面白え、ギャハハハ」という笑芸ではない。
だけど後世に伝えてゆきたい見事な伝統のわざであると、
しみじみ感じ入った次第でござるよ。

五者五様にとてもクオリティの高い舞台でした。
あまりのことに通りすがりのホリイ博士に腹にパンチ食らいました。

画像はまったく関係なく取材先の某書店内。
撮影許可は頂いておりましてよ念のため。
【2008/02/03 11:29】 | 未分類 | page top↑
旅打ち長崎の記
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先週末、長崎の雀荘「WILD CATS」さんに、
お招ばれ旅打ちに行ってまいりました。

元はといえばM宅さんという旅の麻雀あきんどの方がおられまして。
彼がたまたま長崎の飲み屋で知り合った人との話がきっかけで、
市内に学生向けの0.5のフリー雀荘が出来る運びになったとです。
それが去年の夏の終わりくらいの話。
で、若社長さんが私の古い読者だってことで、
M宅さんを通してぜひにと口説き落とされまして。
ロゴとイメージキャラを描き下ろした次第なのでした。

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建物は地上4F、1Fがロビー、2Fがフリー卓、3Fがセット卓。
4Fは事務所とのこと。
要するにビル一軒まるごと雀荘なのである。
明るく綺麗でお客さんも感じの良い方ばかりの、
お世辞抜きでたいへんいいお店でした。
1Fロビーに置かれたコミックスは若社長のライブラリで、
恐ろしいことに日高トモキチの単行本がすべて揃っております。
ひえええ。

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私は2日で合計半荘7回打って1-1-4-3-3-3-2。
チップも含めてほぼチャラやね。
ええいつもの俺様です。
今年もこんな感じだよ。

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麻雀以外にも美味しいものを御馳走して頂いたり、
歌ったり踊ったりドラム叩いたり、
社長さん自らグラバー園を案内して下さったりと、
なんだかもう異常に楽しくて美味しくて嬉しい2日間でした。
皆さん本当にありがとうございます。

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そんな次第なので長崎近辺にお住いの皆さん、
ぜひ足を運んでみて下さい。
http://www.geocities.jp/windflower0712/
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よろしくです。
【2008/01/17 00:15】 | 未分類 | page top↑
もこもこ年頭の感
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あけましておめでとうございます。

2008っていうのはまだわからんでもないけど、平成20年ってのは何だか驚きだ。
平泉成20年。いやなんでもないです。ああやっぱり今年もこんな感じか。
まあ数十年も生きてきて今更突然「生まれ変わった俺を見てくれ」つっても無理だあね。

それでも10年前の自分とは多少異なる点もあるので、
この先もどこかへ向かっては流れてゆくんだと思う。
だからいきなり華麗な変身はできなくとも、
行く末を見極めて舵を取るくらいのことは可能なはず。
平沢進も舵をーとれと歌っているよ。
とまれ少しづつでも精進してゆく所存です。

皆さんが今頃見てるのが初夢ですね。
よい兆をご覧になれますよう。
おらあ今日あたりからちと動き出そうと思います。

もこもこっとね。
【2008/01/02 04:04】 | 未分類 | page top↑
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昨夜か一昨日かその前の夜かに「へええ」と思うことを聞いたのに、
さっぱり思い出せません。
っていうかいつ誰に聞いたかもわからないのにましてや内容をや。
一年を締めくくる大晦日になんて心許ない書き出しだろうか。

とりあえず昨日はクイーンを歌う女性に初めて会いました。
カッコえかったです。
絶望少女の先生もありがとうございました。ブレブレブレブレ。
また来年もお付き合い下さい。
ドントラを男子複数で歌えたのも望外の幸せなり。
長生きはするもんじゃあ。

2007年を総括するほどの心構えはないです。
ただ印象として、
何人かの新しい素敵な友人たちの知遇を得たことがとても嬉しい。
こういう商売やってると人との出会いって多くないから。
特に非社交的なつもりもないものの、すんごい積極的に社交的な人でもないので。
人見知りはする方なのですよ、これでも。

一方で、古い友達の大切さを再確認した年でもありました。
なんだかんだでひとりじゃ生きてないってことやねえ。
来年もきっと気がつくと皆さんのお世話になってるに違いない。
私も微力であれお返しできるよう心がけたいと思います。
本気と書いてマジです。

節目は年を追うごとに漠然としてくる。
単なる暦の上の出来事だと思えばそれまでだし。

そいでも忘年会のお開きは「よいお年を」だし、
あと20時間も経てば「あけましておめでとう」だ。
へそ曲がりの私ですが日本の歳時記にたてつく気はございません。
いいじゃんね、それで楽しければ。

だから皆さん、良いお年を。
【2007/12/31 04:21】 | 未分類 | page top↑
さよならガンボ
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以下、公式サイトより。

>読者の皆様へ『コミック・ガンボ』編集部からの重要なお知らせ

>諸般の事情により「コミック・ガンボ」は第48号(12月11日号)をもちまして休刊いたします。
>読者の皆様をはじめとして、多くの関係者にご迷惑をおかけいたしますこと、
>心よりお詫び申し上げます。
>創刊以来約1年と短い期間ではありましたが、
>ご愛読いただき誠にありがとうございました。

そんな次第です。

単行本でましたの次の更新がこんな告知になってしまうとは、
成り行きとはいえ残念でならない。

愛読して頂いた方々、お買い上げ頂いた方々には、
私の力不足を深くお詫びいたします。
もちろん私ひとりでどうにかできたと考えるのは傲慢だ。
ただそれでもほぼ創刊以来の連載陣として、
読者の皆さんに対して他人事のような顔はできないと思う。

なんだかんだでこの一年、失ったものよりは得たものの方が遥かに大きい。
単行本も望外の好評を頂いた。
だから個人的にはコミックガンボという場所に対し、やっぱりありがとうと言っておきたい。
「達者でな」とは言えないのが寂しいところだが。
まあ私は私で今後もちみちみと頑張ってみるんで、
お星様にでもなって見守ってやってくれ。

「西の空にあけの明星が光るころ、一つの光が還って行く。
それがコミックガンボだ」

「でも明け方に金星が見えるのは東の空なのよ、ダン!」
【2007/12/12 05:40】 | 未分類 | page top↑
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