文月、夏到来。
うっかり今月初更新。
20日には今はなきWebマガジンKATANAにて連載しておりました『原色ひまつぶし図鑑』がイーブックジャパンより電子書籍化。
刊行にあたって、作家・宮内悠介さんが対談をご快諾して下さいました。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/content/sakuhin/415436/index.asp
宮内さん、与太話に付き合って頂いて本当にありがとうございます。
漫画自体も与太話の塊ではありますが、同時に私という人間の集大成でもあります。
よろしくお願いいたします。

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そして『里山奇談』はおかげさまで引き続き好調です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782
今回もそんな里山で出会った連中を紹介させて頂きます。ふだんより写真10枚ほど増量。重たかったらすみません。

今年も会えたおなじみの顔。
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キングオブ普通種のゴマダラカミキリさんは、なにげなく振り向いた目の前の木によいしょととまっておられたりする。
つい嬉しくなってばしゃばしゃ撮ってしまう。
めずらしい顔も驚きがあって楽しいが、いくら見慣れていてもやっぱり嬉しくなる邂逅というものがある。
ゴマダラやキボシ、ノコギリやウスバ、ラミーといったなじみのカミキリ類は、私にとってそういう相手。旧知の仲というか。
もちろん向こうはぜんぜんそんなこと思わないだろうけど。はっ片想いなのか。

これも同じ。市街地でも普通に見られる野生蘭、ネジバナ。
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かなりしっかり巻きの入った一株でした。

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だいぶ育ってきた稲の陰で油断する殿様をスナップ。
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いつも言ってるけどビビリだからね殿様。油断したところを狙うのが定石。

このふた月くらいでかるく数十尾は出会っているイモリ氏ではあるが。
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一向に飽きるでもなく拾えるものなら拾ってしまう。
下の手乗り個体は陸にあがって休んでいたもので、だからちょいと乾いている。
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乾燥した両棲類(の生きてるやつ)というのはなかなか珍しい。
といって別段弱ってるふうもなく、手に乗せたら元気によちよち登ってきた。
元気なら、うれしいね(by 高橋幸宏)。

クラムボンはかぷかぷ笑ったよ(定期コメント)。
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親子じゃなくて夫婦かな、あるいは。

こちらのサワガニは赤い。
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うっかりボイル済みかと思った。家の近所の個体群が青白い都会っ子たちなので、こうも赤いと別種のように思えてしまう。

あまがえるのお子たちが育ってきた。
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まだまだ小さいけど、もうオタマジャクシの面影はない。
いっちょまえにあまがえるなので、たいそう生意気である。
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通り雨の残した水滴を飾るコガネムシ。
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後ろ足を上げているのはこの仲間の警戒のポーズだと言われている。
あまり警戒してなさそうなときでも上げてる気がするので、本人に聞いてみないと真意はわかるまい。

今年も間に合ったアカダマキヌガサタケ。
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例年よりちょっと遅かったらしい。空梅雨気味だったからなー。
梅雨の時期にはちゃんと雨が降らないとその後の予定が狂うのだ。本邦の季節の推移としては。

キリギリスっぽい声がするけど姿が見えないなあと思ってたら、どうもヒメギスだったらしい。
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うちらにとっての夏の歳時記のひとつ。

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樹液スポットにノコギリクワガタ女子発見。
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あまりのことにカナブン氏も驚きをかくせません。

「あらー捕まっちゃった」
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雄のような迫力はなくともクワガタはやはり嬉しい。
とくにノコギリ女子のたたずまいはどこか洗練されている気がして素敵である。
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ひいき目かもしれんけど。ヒラタやミヤマの武骨さもあれはあれでかっこいいし。
コクワのなんか健気な感じも好きだし。なんでもいいのか。

同じクヌギで、クワガタのようなそうでもないようなひとに遭遇。
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これはコカブトムシですかね。そんなに頻繁に会える相手ではないので現場での同定に自信がもてなんだです。
下も同じ個体。
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胸のスリット状の窪みはメスの証。男子はここに指で押したような窪みがあり、頭に短ーい角がある。
オスには東京の里山で会ったことがあるのだけど女子はこれが初見でした。
まだまだ新たな出会いはあるもんです。諦めちゃいけないよ、みんな。

ちょっとふうがわりなお客つながりでは、ニジゴミムシダマシの仲間にも会いましたよ。
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ヒメニジゴミムシダマシかな? 虹色のちいさな甲虫です。
このひとにも以前東京で会ったことがある。
そのときにマクロライト落として失くしたから覚えてるんだおらあ。しくしく。

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カナヘビ君は擬木とか縄とかいろいろ陽のあたる場所が大好き。
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爬虫類は日光浴しないとね。

宮沢賢治『風の又三郎』に「青いくるみも吹きとばせ」という一節がある。
くるみの実は青いのです。
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緑色だけど。まあ青信号も緑だしね。緑を青とよぶのはなんでだろう日本人。

また会えたゴマダラさん。こっちは女子かな。
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ごまだらかみきりっ! な感じのポートレートを頂きました。

ニイニイゼミを拾う。だいたい毎年拾っている。
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アブラとミンミンとヒグラシも毎年拾う気がする。

この季節は巣立った雛が親のあとをついてまわっていることが多い。
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幼鳥はたいがいくちばしに黄色い馬蹄班がまだ残っており、よく鳴く。
この子雀もなにごとかを訴えている最中っぽい。もっとも、近くにいる大人の視線はいまいち優しくない。
「えー、また鳴くん? なんなん? 知らんがなもー」とかそんな感じ。

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樹液スポットを見上げていたら大きな蝶がばさばさと飛来するではありませんか。
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ええオオムラサキです。
幼虫の頃はあんななのに、(前回の日記 参照)
ひとたび成人するとカナブンやスズメバチをも追い払う威風堂々たる日本の国蝶になってしまうので、なんというか変態すごい。
この場合の変態は完全変態や不完全変態の変態です。いやまあ一般的な変態もすごいとは思いますが。

クワの木になじみのお客を発見。
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冒頭でゴマダラと一緒に名前を出したキボシカミキリさんです。
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ずいぶん小さ目の個体だったけど、この存在感大好き。

そして同じクワの木にちょっと変わったお客も発見。
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トラフカミキリはスズメバチに似せたベイツ型擬態の代表として名高い。
図鑑や写真で見ると「そりゃ色味はそうかもしれないけど、普通にカミキリじゃん?」と思います。
けど、実際に出くわすと確かに一瞬えっスズメバチ!? ってなったね。思いの外有効だよ擬態。
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虎斑とはよく言ったもので、ちょっとモフり感がある点も手伝ってじつにトラっぽい。
トラと見間違える捕食者もいるかもしれない。
無理かな。

スケバハゴロモは透羽羽衣。
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まったく珍しくないけど、1センチ足らずのこの昆虫を仔細に眺めてみるとその精巧な細工に改めて驚く。
分類としてはカメムシ目に属する。
カメムシ目っつってもこれらハゴロモやらセミやら多岐にわたる仲間を含むので、昔ながらの半翅目って呼び方の方が好きなのじゃ。
代表種をカテゴリ名に適用してしまうやり方は、ネコ目イヌ科とかになって混乱を招くのであまり好きでないのじゃ。

「そうだそうだ」
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「べつにどっちでもいい」
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宝石のような甲虫を拾った。
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ミドリセンチコガネ。
さまざまに地域変異がみられるオオセンチコガネの、関西の一部地域にみられる緑色の個体群なのだ。
基本関東の人間なのでセンチコガネの色は紫だと思っている。
青色のルリセンチコガネは奈良で見られることを知っていて探しに行ったことがあるが、今回はまったく心の準備をしていなかったので正直ビックリした。
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なお前にも申しましたがセンチコガネは雪隠黄金です。むやみに手乗りにする行為は積極的にはお薦めしませんねんのため。

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7月9日の夜の月。うわもう2週間ちかく前か。
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まだまだ暑い季節が続きます。皆さんどうか水分補給を忘れずに。
【2017/07/22 02:51】 | ネイチャー | page top↑
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