続・里山の住人たち
『里山奇談』刊行直後の里山おさらい編。

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里山とは即ち里であり山である場所に他ならない。
人間の領分である里と自然の領分である山の境目だ。

そこにはいわゆる大自然の営みとともに、常に人間の営みがある。

ハルジオンの花に吸蜜するアオスジアゲハ。
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レア度で言えばスライム級にそのへんにいる蝶々だが美しいものは美しいのじゃ。

ほの暗い池の水面に顔を出しているのは、若いウシガエルである。
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期せずして不気味な構図になったものの、この不穏な佇まいの食用モンスターはめちゃめちゃビビりだ。
ひとの気配を察すると「キュッ」と悲鳴を上げて隠れてしまう。まあ食用だしねえ。

ユリノキが高い梢で花をつけていた。
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まさしくこのチューリップっぽいお花の故に「百合の樹」という名前の樹木だ。ガールズラブとは関係ございません。たぶん。
この季節のひとつの楽しみなんだけど、なかなか低い枝には花をつけてくれないのでどうしても望遠頼りになる。
高嶺の花か。

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ブロック塀に黄緑色の置物がひとつ。
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アマガエルは体色を変化させる擬態ギミックをお持ちなので、石の上などでは灰色に化けていることも多い。
そのような努力のみじんも感じられない個体である。むろん死んでいる訳ではなく、指で突っついてみたら普通に逃げた。
最初から見つからない工夫しようや。

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入浴剤風な浮き草にまみれてご機嫌なトノサマガエル。
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苦しゅうない近うよれ。

そんな殿様を陸の上からなんともいえない表情で見ているツチガエル。
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相手は殿様っすからね。

拾えるイモリは拾います。
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田んぼに発生中のホウネンエビ。よーし今年も豊年満作だ。
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いわゆるブラインシュリンプとかシーモンキーのたぐいに近い生きものです。
この写真にはおりませんが、探すと卵を抱えている雌も見られるぞ。

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巣立ちの近いつばめの兄弟がほわほわしております。
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来年の今頃はここに戻ってきて巣をかけるのかな。

アゲハ春型。夏型よりひとまわり小さいよ。
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今年も真っ赤なショウジョウトンボが現れました。
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毎年言ってると思うけど分類としてはいわゆる「赤とんぼ」ではありません。
これ以上ないってくらい赤いんだけどね。

いっぽうこちらの青黒いトンボはハラビロトンボの雄。
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以前見たやつはもっと黒かったけど、今年のはちょっとネイビーな色味を含んでまた美しい。

どう見ても蝶のような気がするのにイカリモンガという名前の蛾です。
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じゃあ蝶と蛾っていったい何がちがうのかって話になるのだが、それは私にもようわかりません。
アゲハやモンシロ、ヤママユにヒトリガなんかはまあ素直に蝶や蛾やなあと思うけど、この手の境界例になると皆目見当がつかず。
なお名前の由来は「碇紋蛾」。翅を開くと茶色の字に鮮やかなオレンジ色の碇型の紋様があるとです。

手の上で挨拶してくださるアカスジキンカメムシ。
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以前も申しましたがこの人たちは機嫌を損ねると独特の臭いをお発しになられます。
なので、無理に捕まえたりせず自主的に指にのぼってきて頂きました。いえーい。
近年はカメムシと頗る好ましい関係を築いている私です。何の得があるかは知らん。
今昔物語に出てくる蜂使いみたく悪い人を襲わせればいいのかな。

花に集まるカミキリの仲間は、サイズは小さいけど美麗なものが多いのじゃ。
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これはキイロトラカミキリ。
こういうちまちましたお花がだいたい虫たちには人気です。

浅い水の底でのんきな風情のホトケドジョウ。
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ドジョウの顔って緊張感がなくて好きでしてね。

足元ですばやく跳ねたのはニホンアカガエルかな。
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ユーモラスな佇まいのものが多いカエル一族で、アカガエルの仲間ってちょっと精悍な気がする。
体格もボテッとしてなくてなんだか油断がない。

そしてこちらは油断を絵に描いたようなシュレーゲルアオガエル。
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何をしているのかよくわからない。ひなたぼっこなのかもしれない。
このあと頭の上にハエが止まった。
とくに動じる様子はなかった。

ミゾソバの葉の柔らかな緑色の上の紅一点。
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フジハムシかな?

食休み中のヤマサナエ。
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このほかクロスジギンヤンマも出ていたが、追い写しすること能わず。
ちょっと悔しい。

コウゾの木からぶら下がる大きな白い泡の塊は、モリアオガエルの卵塊。
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やがて産まれてくる子どもたちを守るために、親たちがいっしょけんめい泡立てたクリームです。
触りたくなるのを我慢してそのまま立ち去る。
みんな無事育つといいな。

帰りしなに路傍の枯木を見たら、ずいぶん小さなお友達を発見。
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今シーズン初コクワガタ。

ぷんぷん怒っているのだが、何しろ小さいので威力がない。ごめんごめん、何枚か撮ったら放すからね。
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カブト・クワガタ類に会うとテンションが上がるのはかれこれ数十年変わらない習い性だ。
いよいよもって夏の到来だな、と思う。

次は梅雨入り前か、梅雨明けあとか?
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梅雨の最中もありかな。

こんな里山を渉猟する三人の散策者があつめた幻風景です。
里山奇談。https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782 よろしくお願いします。
【2017/06/03 14:40】 | ネイチャー | page top↑
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