スタイですたい
090519_1.jpg
スタイ、という言葉をご存じだろうか。スレタイじゃないよ。
私は存じませなんだ。
知らない単語は辞書で引け、ハイ。

スタイ  乳児・幼児用のよだれかけ。(大辞林)

はぁそうですかと納得しかけて、どうもなんだか居心地が悪い。
辞書の説明なのに【】内が欠落しているのだ。
カタカナ語というのは多く外来語であるから、普通はスペルが入る。
日本語であれば当然漢字が併記される。
そのいずれもが無いのは変だ。
不気味に思ってさらなる追及を試みた結果、次の記述に辿り着いた。

>赤ちゃんの「よだれかけ」を育児雑誌や店頭では普通「スタイ」と呼ぶ。
>ベビー用品輸入販売のグランドールが、
>92年にべピービョルン杜(スウェーデン)のプラスチック製食事用エプロンを、
>「スタイ」と名付けて発売。
>年間10万枚を超す商品となり、
>今では他社製や布製のものも「スタイ」として売られる。

http://blogs.dion.ne.jp/bunsuke/archives/1499022.html

つまりあれだ。ホッチキスやセロテープと同様、
商品名がいつの間にか一般名詞になってしまったものらしい。
なるほどな。

が、たとえばホッチキスやセロテープの大辞林における解説はこうだ。

・ホチキス  コの字形の針を紙に打ち込んでとじあわせる道具の商標名。
アメリカ人ホチキス(B. B. Hotchkiss)が発明した。ステープラー。ホッチキス。
・セロ テープ  〔和製語 Cellotape〕セロハン-テープの商標名。


これらに比べてスタイの素っ気なさはどうだ。スペルはおろか由来も何もわからない。
成立は1992年とずいぶん最近なのに。

その理由は前述のリンク先に明らかである。

>現在、グランドールでも名付けの由来が分からないという

これはひどい。
無責任な話もあったもんだが、商品名なんだからまあ仕方がない。
語感だけで適当に付けちゃったってことかね。

とはいえ言葉のはやりすたりにその成立事情は無関係。
ショップの皆さんやお母さま方が気に入って使うようになってしまったのだから、
これはもうスタイの「勝ち」だ。

コラムはなおも続けている。

>育児用晶の呼び名は、外国語を取り入れるなどしてどんどん変わっている。
>がらがらはラトル、おくるみはアフガンと呼ぶようになった。
>スリング(抱っこ布)、
>クーファアン(赤ちゃんを寝かせる持ち手つきのかご)など新顔も続々と現れる。


アフガンってランボーが怒ってる場所だよな。
赤ん坊をくるむにはちと剣呑な気がするが。

さて常日頃「超」やら「KY」に眉を顰めておられる、
日本語の乱れとやらをお嘆きの方々は、このような現象をどう説明し納得するのだろうか。
たぶん溜息ついたり憂えてみせるだけなんだと思うけど。
それってあんまりカッコよくない気がするんだ、ぼかあ。
無理に時代に迎合することもなかろうが。

しかし人志松本も早晩スタイやアフガンに心砕く必要に迫られるのだな。
と、まさかの時事ネタで今夜はおやすみなさい。
私は働きます。
090519_2.jpg
【2009/05/19 00:22】 | 未分類 | page top↑
| ホーム |