きつねなす


店先に生けてあったつのなす。
きつねなすともいい、私はこっちの名の方が好きだ。
ナス科の植物で、突起のある実を狐に喩えた呼称である。

園芸の図鑑を見るとフォックスフェイスの名で紹介されている。
キツネ顔だな。おお、好みのタイプ。
いやタヌキ顔も別に好きですが。

だもんで、てっきりfox faceが英名なのだろうと思うとさにあらず。
これが実はもっともらしい和製英語なのである。
検索してみると英名として紹介しているサイトも散見されるが、
英名というのはあくまで英語圏で使われている名前であり、
フォックスフェイスは英語の名前ではあっても英名ではない。
業者さんが「なんぞカッコええ名前つけたれ」と、
適当に付けたインボイスネームが普及してしまっただけだ。

花屋さんに並ぶ花々のカタカナ名札の多くはこのパターンである。
それらの名前は要するに商品名であって、
標準和名でも英名でもましてや学名である筈はない。
別に間違ってるとかいけないことだとは思わない。
ものの名前は普及したもん勝ちだ。
ただ、学問的には通用しない「あだ名」であるということだけは、
承知しておいてもいいかなと思う。

きつねなすは英語圏では他にちゃんと正しい呼び名がある。
ただし向こうの連中はこれをキツネに見立てたりはしなかった。

nipple fruit もしくは lady nipples。
すなわち「乳頭の実」「ちくび婦人」。

いずれ笑福亭鶴光に色合いを尋ねられるに違いない。
【2006/11/19 07:37】 | 未分類 | page top↑
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