六月の水辺
『里山奇談』おかげをもちまして重版出来。
twitterでも色んな方々に読んで頂いており、嬉しさをかみしめております。
皆さんのツイートの拡散や御礼はcocoさん玉川さんお任せになってしまって心苦しいのですが、できる限り目を通して感謝しております。
ありがとうございます。

あれらの物語が産まれ語られた舞台を、今回もご紹介してゆきますよ。
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里山ではヤマサナエと並んでよく出会うコオニヤンマ。
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これも実はサナエトンボの仲間なので、このように植物や石の上に止まっている姿が多くみられる。
ヤンマ類はこういう休み方はせえへんのじゃ。

トノサマガエルの緑色は、なんとなくスイカを連想させる。
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広角でけっこうぎりぎりまで近づいて撮ってみた。
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殿様はかなりビビリなので遠くからでも気配を察して逃げてしまう。
しかしいちど油断させてしまえば、じりじり近寄られる分にはまったく気にしない。
そのあたりのライン引きがよくわからん。お殿様の考えることは不明だぜ。

ミヤマカワトンボ。
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翅をじわーっと開いた際、セロファンのような影が落ちるのが好きでしてね。
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今期初ナミハンミョウ。
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山道で登山者の前を案内するように飛ぶことからミチオシエの異名を持つ虫だが、私はだいたい水辺でみかけることが多い。
餌となる小さい虫たちがたくさんいるからだろうか。
タマムシよりはるかに小さいが、その輝きと存在感は勝るとも劣らない。
普通はもうすこし赤やオレンジの印象があるけど、たまにこうやって寒色系の個体に出会う。

恥ずかしがり屋のアオダイショウに会ったよ。
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蛇のみなさんも獲物を求めて水辺にいることが少なくない。
比較的気の荒い種類ではあるが、くりくりした目は可愛らしい。ヤマカガシやマムシは悪相やけんね。

これも美しいアオハダトンボ。
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とはいえ詳しい方々はご承知の通り、ハグロトンボとアオハダトンボの見分け方というのはなかなか難しい。
ハグロトンボはいわゆる極楽トンボの異名をもつ、黒い翅をひらひらさせてとぶトンボです。
で、本当にこれアオハダなん? ハグロと違うん? と聞かれると正直そこまでの自信はありません。

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しかしハグロをさんざ見てきた身としては、こんなに綺麗さに息を呑んだ経験はなかったので。
希望も込めてアオハダトンボだと思い込んでおきます。

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アジサイの学名がハイドランジアだと知ったとき、ウルトラセブンの潜水艦とイメージが重ならなくて混乱したのは私だけではあるまいと睨んでいる。

カラムシの葉にやってくるラミーカミキリたち。
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けっこう毎年律儀に見かけるので、そのたびに嬉しくなって撮ってしまう。
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飛行機雲の裏に伸びる影みたいのはなんなのかなあ。
なにかふしぎな飛行機の残したシュプールなんだろうか。

学校に向かう途中の住宅地で出くわした野生のバンビちゃん。
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鹿の目ってくろめがちで本当に優しい。

「やべえ変なおっさん来た。逃げよ逃げよ」
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増えすぎた場所では害獣になってしまっているニホンジカ。
なるべくならけんかせずに一緒に生きていければなあ、と思う。

ノカンゾウのユリとしてはすこし野暮ったい佇まいが好きです。
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パトロール中のクロスジギンヤンマ雄。
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だいたいこうやって延々飛び回っており、ミラーレスで追い写しをする腕の持ち合わせがないのでいつも苦労する。
だって一眼レフより軽いんだもん。

そんなクロスジが疲れからか黒塗りの高級車に、ではなく、めずらしく一休みしてくれた。
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ヤンマが休むときは、基本的にこうやって垂直にぶらさがる。手は疲れないのかしらん。
以前ツイートした通り、実物を見たことがあるトンボとしてはいちばん好きな種類である。
黒味があって締まったカラーリングと、ブルーに輝く巨大な複眼にいつまでも見とれてしまう。

昼間のゲンジボタルに手乗りしてもらう。
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ホタルというのも水ぎわの生きもので、昼間はそのへんの草や木の上で休んでいる。
写真は表側だけど裏返すと発光器がわかるよ。

ヤマサナエ。コオニヤンマの項で述べたように、石の上に止まっております。
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エノキの木で葉っぱを食べていた大きないもむしに手乗りを願う。
あれこれ葉っぱじゃないよ、と怪訝そうにとまどっているこの子は、国蝶オオムラサキの終礼幼虫である。
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このあとエノキの葉に擬態したさなぎになり、羽化してあの大きな蝶があらわれるのだ。
こんなよちよちしてるのにね。

そりゃービックリだケロ。
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田んぼの底になにやら黒い生きものがいるのがおわかりですか。
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これはイモリたちがだらだらしておりますのです。

横の用水路にいたのをかるくイモリすくい。
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持って帰りませんけどね。

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低い物置の屋根の上できょとんとしているのは、シジュウカラの子だ。
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これは飛ぶ練習をしている雛であって、いわゆる「拾ってはいけない」案件です。
だいじょぶかなと見ていると、このあとウッドストックみたいな感じで畑の方によたよた飛んで行ったのですこし安心した。
すると、直後にさあっとその後を追ってゆくものがいる。
近くで見守ってた親鳥かと思って望遠で覗いてみたら、これがびっくりモズだった。
モズ的にはシジュウカラの雛なんて狩りやすくておいしいばんごはんである。ひい!

しかし半狂乱で後を追って来た親たちが大騒ぎしてモズを追い払い、どうにかことなきを得た。
よかったよかった。これからは気をつけてね、
ちゃんと育つといいな。

そんなこんなで里山にも夜のとばりが落ちる。
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たぶん、ここからはほたると怪異の支配する時間。

だから、おしまいにもいちど宣伝。
https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782
よろしくお願いします。
【2017/06/24 18:38】 | ネイチャー | page top↑
続・里山の住人たち
『里山奇談』刊行直後の里山おさらい編。

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里山とは即ち里であり山である場所に他ならない。
人間の領分である里と自然の領分である山の境目だ。

そこにはいわゆる大自然の営みとともに、常に人間の営みがある。

ハルジオンの花に吸蜜するアオスジアゲハ。
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レア度で言えばスライム級にそのへんにいる蝶々だが美しいものは美しいのじゃ。

ほの暗い池の水面に顔を出しているのは、若いウシガエルである。
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期せずして不気味な構図になったものの、この不穏な佇まいの食用モンスターはめちゃめちゃビビりだ。
ひとの気配を察すると「キュッ」と悲鳴を上げて隠れてしまう。まあ食用だしねえ。

ユリノキが高い梢で花をつけていた。
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まさしくこのチューリップっぽいお花の故に「百合の樹」という名前の樹木だ。ガールズラブとは関係ございません。たぶん。
この季節のひとつの楽しみなんだけど、なかなか低い枝には花をつけてくれないのでどうしても望遠頼りになる。
高嶺の花か。

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ブロック塀に黄緑色の置物がひとつ。
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アマガエルは体色を変化させる擬態ギミックをお持ちなので、石の上などでは灰色に化けていることも多い。
そのような努力のみじんも感じられない個体である。むろん死んでいる訳ではなく、指で突っついてみたら普通に逃げた。
最初から見つからない工夫しようや。

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入浴剤風な浮き草にまみれてご機嫌なトノサマガエル。
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苦しゅうない近うよれ。

そんな殿様を陸の上からなんともいえない表情で見ているツチガエル。
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相手は殿様っすからね。

拾えるイモリは拾います。
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田んぼに発生中のホウネンエビ。よーし今年も豊年満作だ。
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いわゆるブラインシュリンプとかシーモンキーのたぐいに近い生きものです。
この写真にはおりませんが、探すと卵を抱えている雌も見られるぞ。

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巣立ちの近いつばめの兄弟がほわほわしております。
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来年の今頃はここに戻ってきて巣をかけるのかな。

アゲハ春型。夏型よりひとまわり小さいよ。
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今年も真っ赤なショウジョウトンボが現れました。
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毎年言ってると思うけど分類としてはいわゆる「赤とんぼ」ではありません。
これ以上ないってくらい赤いんだけどね。

いっぽうこちらの青黒いトンボはハラビロトンボの雄。
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以前見たやつはもっと黒かったけど、今年のはちょっとネイビーな色味を含んでまた美しい。

どう見ても蝶のような気がするのにイカリモンガという名前の蛾です。
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じゃあ蝶と蛾っていったい何がちがうのかって話になるのだが、それは私にもようわかりません。
アゲハやモンシロ、ヤママユにヒトリガなんかはまあ素直に蝶や蛾やなあと思うけど、この手の境界例になると皆目見当がつかず。
なお名前の由来は「碇紋蛾」。翅を開くと茶色の字に鮮やかなオレンジ色の碇型の紋様があるとです。

手の上で挨拶してくださるアカスジキンカメムシ。
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以前も申しましたがこの人たちは機嫌を損ねると独特の臭いをお発しになられます。
なので、無理に捕まえたりせず自主的に指にのぼってきて頂きました。いえーい。
近年はカメムシと頗る好ましい関係を築いている私です。何の得があるかは知らん。
今昔物語に出てくる蜂使いみたく悪い人を襲わせればいいのかな。

花に集まるカミキリの仲間は、サイズは小さいけど美麗なものが多いのじゃ。
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これはキイロトラカミキリ。
こういうちまちましたお花がだいたい虫たちには人気です。

浅い水の底でのんきな風情のホトケドジョウ。
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ドジョウの顔って緊張感がなくて好きでしてね。

足元ですばやく跳ねたのはニホンアカガエルかな。
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ユーモラスな佇まいのものが多いカエル一族で、アカガエルの仲間ってちょっと精悍な気がする。
体格もボテッとしてなくてなんだか油断がない。

そしてこちらは油断を絵に描いたようなシュレーゲルアオガエル。
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何をしているのかよくわからない。ひなたぼっこなのかもしれない。
このあと頭の上にハエが止まった。
とくに動じる様子はなかった。

ミゾソバの葉の柔らかな緑色の上の紅一点。
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フジハムシかな?

食休み中のヤマサナエ。
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このほかクロスジギンヤンマも出ていたが、追い写しすること能わず。
ちょっと悔しい。

コウゾの木からぶら下がる大きな白い泡の塊は、モリアオガエルの卵塊。
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やがて産まれてくる子どもたちを守るために、親たちがいっしょけんめい泡立てたクリームです。
触りたくなるのを我慢してそのまま立ち去る。
みんな無事育つといいな。

帰りしなに路傍の枯木を見たら、ずいぶん小さなお友達を発見。
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今シーズン初コクワガタ。

ぷんぷん怒っているのだが、何しろ小さいので威力がない。ごめんごめん、何枚か撮ったら放すからね。
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カブト・クワガタ類に会うとテンションが上がるのはかれこれ数十年変わらない習い性だ。
いよいよもって夏の到来だな、と思う。

次は梅雨入り前か、梅雨明けあとか?
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梅雨の最中もありかな。

こんな里山を渉猟する三人の散策者があつめた幻風景です。
里山奇談。https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782 よろしくお願いします。
【2017/06/03 14:40】 | ネイチャー | page top↑
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