彼岸の花火その他
仕事の隙を突いて近所に彼岸花を撮りにゆく。
彼岸だからね。
150923001.jpg
秋のお彼岸、萩が咲くころに食べるからおはぎなのである。
春のお彼岸のころの花は牡丹なので、同じものを春にはぼたもちと呼ぶ。
そう教えてくれたのは銀玉親方こと山崎一夫さんだ。

150923002.jpg
しかしそんな親方は、私が葦という植物は悪しと発音が同じなのを嫌ってヨシと呼ぶのだそうですよと言ったところ、
「ヒダカさんはものしりだねえ」と例の気のない様子で感心していた。

150923003.jpg

アキアカネの群舞がはじまっていた。
150923004.jpg

初秋の青空に映えるシオンの花に小さくて青いはなむぐりがむぐる。
150923005.jpg

150923006.jpg

彼岸花はその佇まいにどこか不吉な陰を宿しているのが好きだ。
それは全身に陽光を浴びていてもなお払拭されることはない。
150923007.jpg

その花の蜜はアゲハの仲間が好む。
150923008.jpg

とくにクロアゲハが訪れているときのコントラストは美しい。
150923009.jpg

同じ花を訪れた4頭のシルエットがくるくる天高く上ってゆく。
150923010.jpg
喧嘩をしているのか遊んでいるのかはわからない。

「あれっここだけ地べたがやわらかいぞ」
150923011.jpg
注意深いアキアカネは乗り移ってきてくれなかった。

ハラナガツチバチはキバナコスモスがだいすきだ。
150923012.jpg
雄蕊を全身でかかえこんで夢中だが、ときどき顔をあげて花粉にまみれた触角のおそうじをする。
基本はきれいずきらしい。

150923013.jpg

150923014.jpg

150923015.jpg

彼岸花と並ぶ大きな真紅の花はモミジアオイ。
150923016.jpg
ここにも写り込んでいるように、葉がモミジ様をしているためこの和名がある。
大きな花が一輪ぽんと咲くことが多いせいもあり、どことなくノーブルな雰囲気がある。
タナトスの匂いはない。

ちょっと小ぶりのトノサマバッタに会えたよ。
150923017.jpg
殿様の名はダテではなく、その威容は明らかに他のバッタもんとは一線を画する。バッタもんゆうな。

150923018.jpg
根茎は有毒だが、飢饉に際しては毒抜きをして救荒食糧とし、ひとびとの命を救ったともいう。

150923019.jpg
そういえば「うちの実家では食べてたよ」と話してくれたのも銀玉親方だった気がする。
ちがったらすみません。

ちょっと日本画のような色彩になったのは偶々です。翅をやすめるアゲハ。
150923020.jpg

チョコっぽかったり和菓子ふうにも見えるガンタケ幼菌。
150923021.jpg
シックな色合いを雁の羽にみたてて雁茸の名がある。
おっかないテングタケの一族だが、文献によっては食菌扱いになっているぞ。

150923022.jpg

晴れた空をもつれ合いながら舞い上がるナミアゲハ3頭。
150923023.jpg
まったく仲がいい蝶だ。それか喧嘩っぱやいか。

色んな蜂や蝶にもてもてのキバナコスモス。
150923024.jpg
ツマグロヒョウモンおひとり様ご案内中。

150923025.jpg
彼岸花が生得的に備える昏さについてはかつて単行本で四の五の考察したのでここでは繰り返さない。

150923026.jpg
いま思うのは、やっぱり血の色だからかなということ。
白花や黄花を見るととくに不吉な感じはしない。但し個人的には魅力もあまり感じない。

150923027.jpg
灼けつくような残暑の中で見る血の色の花は、たとえば原民喜『夏の花』を想起させて悲しいのだけれど。

150923028.jpg

夕闇のせまる空をねぐらへと飛んでゆくコサギたち。
150923029.jpg
この写真だとよくわからないが黄色い靴をはいていたので。

大型連休とやらが終わって九月も残り一週間。
150923030.jpg
いつの間にやら今年も秋だ。
【2015/09/24 02:47】 | 未分類 | page top↑
晩夏から初秋へ
更新がひとつき以上空いてしまったのでへんな広告が出てて悲しい。しくしく。
150916001.jpg
8月後半からなんだかもうずっとばたばたし通しだったのだ。

ばたばたは大変なばかりではない。coco先生、泉麻人さんと3人で敢行した昆虫観察会はたのしいイベントのひとつだった。
当日の様子を三者三様に表現したのが今月号と来月号のWebマガジンKATANAにて紹介されているので、ぜひご一読を。
ええ今月はまだ前編やねん。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/13064.html
実は何をどう描けばいいのかギリギリ最後まで悩んでいた私です。その結果がこうなりました。楽しんで頂ければ幸甚ござる。
このページにも当日撮影のものが混入しております。敢えて付記しませんので参照したり想像したりしてくだされ。

「顔が花粉まみれで前がよくみえないや」
150916002.jpg

これも食器に顔を突っ込んでるたぐいです。
150916003.jpg
ひっぺがして数十分連れ歩いてもとの場所に戻してあげたのだが、寸分違わぬ様子で食事を続けていた。
くいしんぼうな昆虫の王様である。

深緑の中にマユタテアカネの紅一点。
150916004.jpg

キタテハ夏型。
150916005.jpg
夏場は黒の面積が多く、なんとなくヒョウモンの一族に似てないこともない。

こどもシュレーゲルアオガエル。ちっこいんだこれが。
150916006.jpg
もっともカエルの子はご存じのようにおたまじゃくしなので、これはおとなになりたてなだけで本当はこどもではありません。
このあともちょっと大きく育ちます。

あまがえるのなる木。
150916007.jpg
草だけど。

何を思ったか上陸してたアメリカザリガニさん。
150916008.jpg
こう見えてしゃべると声高いのかもしれない。

つかまるサワガニさん。
150916009.jpg
さるかに合戦のかには本種だろうというのは私の持論である。
全力で青い柿をぶつければ潰れる気がするし。

セスジツユムシは意外と絵になる。
150916010.jpg
バッタ類というのはしかし子ども的にあまり人気のある虫ではなかった。
すぐ口からなんか出すのが人気薄のひみつだと思う。
南方熊楠の得意技だよね。

150916011.jpg

150916012.jpg

あざみに吸蜜するスジボソヤマキチョウ。
150916013.jpg
その翅は陽光に透けてキャベツのようだ。

ヌメリスギタケモドキかな。
150916014.jpg
何度か遭ったことがあるがだいたい高いところにいるので手が届かない。
優秀な食菌と聞き及びますよ。

割にレアなクロカナブン。見かける度合いとしてはカナブン>アオカナブン>クロカナブンです。俺的には。
150916015.jpg
この人もお食事中を邪魔したったので口の周りにごはんついてます。すぐ戻してあげたよ。

マツムシソウを訪れたミドリヒョウモン。
150916016.jpg
独特の存在感があって、ヒョウモンの仲間ではいちばん好きな蝶。
次点はメスグロヒョウモンだよ。しばらくご無沙汰してるなあ。

150916017.jpg

池の周りをパトロールしているヤンマ系がいたのでミラーレス一眼でがんばってみた。
150916018.jpg
小刻みにホバリングするところを何とか写し止められた一枚。
ルリボシヤンマでした。いえーかっこいい。

ぼやぼやしてたらキタテハが秋型になってしまった。
150916019.jpg

150916020.jpg
上の方の夏型と比べるとえらい違いだが、同じ蝶なのだ。衣替えはええよ。

まだ若いホコリタケ。
150916021.jpg
別名のキツネノチャブクロも可愛い。
その由来については北杜夫『どくとるマンボウ小辞典』が一章を割いていた記憶がある。
うろおぼえなので書いてなかったらすみません。

まるはなばちの仲間はふわふわ丸くてえらい可愛い。
150916022.jpg
この人はクロマルハナバチの男の子かな。じゃあ捕まえても刺さなかったな。

高い樹の枝にとまったアサギマダラを望遠で。
150916023.jpg
2000キロに及ぶ長距離飛行をおこない、海を渡る蝶として知られる。
そんなふしぎな生態は別として、悠揚迫らぬ雰囲気がとても好きな虫のひとつです。

幼菌といえど独特の異彩を放つスッポンタケ一家のきのこ。
150916024.jpg
キツネノロウソクあたりですかね、こりゃ。

現場で咄嗟にわからなかったカミキリムシ。
150916025.jpg
脳内検索をしてなんとなくヤハズカミキリかなと思ってたらそうだったので嬉しかった。
こういうのが図鑑少年のささやかな自己満足のひとつです。

9月の高原といえばヤマトリカブト。
150916026.jpg
でも「いま園内で見られる花」などには積極的に紹介されてないことが多い。
なんでだろう。やっぱり猛毒だからかな!

未同定。でもハナイグチっぽい。
150916027.jpg
おいしそうなんだこれが。ハナイグチなら本当においしいはず。

coco先生に電話をもらって慌てて撮りにいったルリモンハナバチ。
150916028.jpg

先生が教えてくれたが、仔細に見ると黒地に青い毛の生えた柄であることがわかる。
150916029.jpg
分布が局地的なことで知られる種で、このあたりの個体は比較的青みが薄い。
千葉で出会って以来、実に3年ぶりの邂逅だった。
嬉しかったなあ。coco先生ありがとう!

秋風立つ湖畔。
150916030.jpg
いつもこの時期になるとシュガーベイブ『夏の終りに』が頭の中をぐるぐる回る。
釣瓶落としの秋の始まりだ。
【2015/09/16 18:56】 | ネイチャー | page top↑
| ホーム |