とめどなく読書ノート
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先週あたりまでダヴィンチの企画で勝間本を延々と読んでいた。
我々の辿り着いた結論は本誌をご覧頂くとして、
世に溢れる「結局は金の亡者じゃないか」的な勝間批判が、
見事に的を外しているというのはなんとなくわかった。

カツマさんが金の亡者でないと言ってる訳ではない。
っていうか、そんなん知らん。
ただ、経済的成功を説いてる相手に対して、
「所詮金儲けだろ」って指弾してみてもはじまらんと思う。
所得倍増計画を提唱する人間がお金にシビアなのは当然であり、
そこにケチをつけるのはどうにも筋違いだ。

ビジネス書の著者に滅私奉公を要求してどうする。
お金に興味はない、人類の幸せを願うだけだという奇特な人種を探したければ、
もっと別の餌場があろうよ。

とはいえ最近の彼女自身に、
そういうツッコミを受けがちなポーズがないとも言い切れず。
今後の動きが勝負でしょうね、やっぱり。

個人的には現状で元気な人に頑張って欲しいと思ってるので、
外野からこっそりエールは贈ります。
妬んだり蹴落とそうとするにゃ生きてる世界が違いすぎるがね。

*

小坂俊史『中央モノローグ線』読了。
小坂さんの、
シニカルな視線の中に垣間見せる突き放した抒情がとても好きなのです。
情感をウエットに描くのは意外と誰にでも出来るけど、
淡々と紡いでゆくのは至難の業ですねん。

あと、この人数の女子のリアルなモノローグを、
精子脳的妄想に陥ることなく描き分けられるのは、
やはり稀有な資質だと思う。
まちがいなく女子中学生が棲んでいなさるね、先生の中に。

読後に凛とした寂寥感を残す、
抑えた色調のアートワークも素敵な一冊。
なんだか読書の秋ってかんじがするよ。

ちなみにかつての武蔵境の住人は、
総武線&東西線直通の届く届かないの壁をふまえた上でなお、
ちょっと三鷹には親近感を抱いてたりもしました。
吉祥寺をかるく仮想敵とした、ごく一方通行の同盟意識ですなあ。
とほほ。

*

庄司浅水『世界の秘話』。
一番好きな文庫はと聞かれたら、迷わず現代教養文庫だと答えられる。
貧乏学生が牧逸馬や香山滋に触れることができたのは、
このシリーズのおかげだった。
ブランドとしては2002年に惜しくも消滅してしまったが、
ラインナップのうち幾つかはちくまや中公から再文庫化されていて、
書店で手に取ることができる。

本書は海洋奇談の語り手として名高い庄司浅水の手になる一冊だ。
タイトルにある通り特に海限定の内容ではないが、
それでもマリー・セレスト号や幽霊船、
米西戦争における港口閉鎖作戦の話の筆の冴えはさすがである。

しかし何より私が気に入ったのは「ム大陸」の伝説。
音引きが入らないだけでこんなにもグロンギ語。

初版は1959年。
下にあとがきに引用された、
ソ連のジャーナリストによる21世紀予想図を孫引きしてみる。
なかなか面白いんで、ながながと失礼しますよ。

「同書によると、二十一世紀はプラスチックと合成繊維の時代となり、
石炭は地下でガス化され、人間は地下の重労働から解放され、
医者は運転室にすわったまま、ボタンを押すだけ、機械が患者を診察し、治療する。
また、超音波のメスで、血の出ない外科手術がおこなわれ、心臓の修理もできる。
睡眠の生理が解明され、一日に一~二時間眠るだけで十分、
だから、実質的には寿命が二~三割方のびたことになる。
あまった時間は芸術や音楽にあてられる。
また、いろいろな病原菌が解明され、有効な対策が講ぜられ、
人間の寿命は現在よりはるかにのびる。
さらに、性の「調節」ができ、雌雄が自由につくられるようになる。
人工太陽が打ち上げられ、天候も自由に支配でき、道路が車を運転し、
歩道もエスカレーター式に移動する。
タタール(間宮)海峡にダムができ、大発電所と化し、
その結果、日本には冬がなくなり、雪が降らなくなる。
また、月には人間の住む常設科学ステーションがつくられ、
水爆の利用で、ヒマラヤを貫通する南北鉄道が出来るという」

記者はよもや二十世紀中に祖国ソヴィエト連邦が消滅するとは思わなかったろう。
文明はたいがい予測者の期待を裏切るかたちで進化する。
そして庄司浅水はここにさらに次の一文をつけくわえた。

「現在、不明とされている、宇宙や海の神秘も、
そのときまでには、だいぶ明らかにされるものもあろう」

50年前の謎は、たいがい今も謎のままだ。
たぶん100年経っても。

でもちょっとだけ解明されたりするかもしれない。
その他力本願な期待を未来に託すのは、なかなか楽しいやね。
【2009/11/20 02:39】 | 未分類 | page top↑
いちのとり
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一週間のご無沙汰です。

先週の新宿・花園神社一の酉に、
まんがか&ものかき友達連中でぶらぶら行って来ましたのだ。
やっぱり商売繁盛をね。お祈りしないとね。

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靖国~明治通りを行く表側も賑やかでいいが、
まだひとけのないゴールデン街を抜けてくルートも捨てがたい。

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お面の顔ぶれは更新されるが、祭りの濃密な空気は存外旧式だ。
今ここで乱歩的ななにごとかが出来しても俺ぁ驚かねえよ。

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だいたい七時前後からみるみる人が増え、八時過ぎには満員状態になる。
客層を変えつつ不夜城の喧騒は続く。

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御承知のように熊手は毎年買い替えるものだが、
その度にグレードアップしなければならない。
だから最初に下手に気前のいいとこ見せると後々たいへんなことになる。
写真のこれはたぶん7桁もの。
個人で買うやつぁ相当だね。

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金魚は正しく朱の和金と黒の出目金。
二丁目あたりのお姉さんらしき人が頑張ってました。

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しかしひとり中吉引いたのを除いて全員末吉とは、
商売の神様はなるほどシビアであることよ。
精進せんといかんね、皆。

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来週が二の酉。
見世物小屋も来てますよ、もちろん。
【2009/11/16 01:10】 | 未分類 | page top↑
こっそり学祭
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先週末の土日は早稲田祭でした。
大OBであらせられるホリイ憲一郎博士にお知らせもろたんで、
ひょこひょこ出向いてみましたよ。

大隈講堂前特設ステージでは次々にイベントが繰り出されるため、
詰めかけた観衆でどこが正門やらよくわからない状況になっている。
交通整理にあたる学生諸君の苦労がしのばれますのじゃ。

ちょうど通りかかった際、
誰か知らんけどタレントさんがステージに上がってたらしく、
デジカメ出してた通りすがりのおいちゃんが「撮影禁止です」と注意されていた。
禁止だと言われれば撮らないのが撮影者のマナーである。
だから冒頭の一枚はイベント終了後に撮ったものだ。

しかし早稲田祭に来て大隈講堂にカメラ向けるなってのもおかしな話だぞ。
撮影禁止なイベントを天下の往来でやるなよ。

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大学漫研のイベントといえば似顔絵描きでございます。
1枚200円はもう四半世紀以上据え置きではなかろうか。

サークル的には部費以外の唯一の収入源であるため、
毎週似顔絵ゼミを開いて部員一同まじめに練習いたします。
不肖私もかつてゼミ長を勤めさせて頂きました。
ちなみにわたくしの先代は現代洋子先生です。

空いてたらサクラやったれと思ってたんですが、どうしてどうして。
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えれえ盛況でしたよ。
ホリイさんも現役部員に混じって描いてらっさいましたね。
しかし私を一目みて「何、痩せた?」と尋ねられたは、
少々眼力が弱られましたな。ウフフ。しくしく。

下が早大漫研の機関誌『早稲田漫』74号。
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おらあ32号の編集長でしたよ。歳は取るもんじゃのう。
今回はなんと。
巻末にホリイ博士によるけらえいこ先生ロングインタビューを掲載。
ファン必読。でも前篇。
「続きは来年の春号に載るんで必ず買うように」(ホリイ博士の命令)

なお、一冊500円のこの冊子ですが博士の命令でOB価格は1000円でした。
うわあい。
まあ現役部員の皆さんの活動資金だからね。
払うにやぶさかでないですよ。

372ページはなかなか読みごたえありました。
自分の学生時代を思うと、
ここに描いてる人全員プロになってもおかしかない気がするよ。
いやマジで。

ひとつだけOB目線で難を言わせてもらうと、ちょーっと編集が雑です。
もう少し並び順とか作品と作品の間の取り方とか、
読む人のことを考えてあげて欲しいと思いましたよ。
目次に漏れてる作品もあるし。

でも、じゃあ最近の商業誌がその辺に留意して作られてるかって言われると、
いまいち自信ないのですが。
ジャンルによっては、
コミックス出すための単なるクリップボードみたいなもんだったりするからな。

あたしゃ現役時代から積極的に後輩の面倒みる人じゃなかったんで、
それ以上の論評は差し控えます。
ただ、ポーズじゃなく本気で応援はしますよ。
自分も含めた漫画界の将来ってもんがありますからね。やっぱり。
年寄りが呑気に若い芽摘んでる場合じゃねえでしょ。

同様に、若いのがぐちぐち文句言ってる場合でもありません。
既存のものにねちねちケチ付けてる暇があったら、まんが、かけ。

おまけ。
妙にレトローな都電。
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どあにきをつけて、どあに。
【2009/11/09 21:08】 | 未分類 | page top↑
11月の定点観測
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すっかり写真帳になってますが。

今回は35mm、85mm、200mmの単焦点3本で回してます。
めっきり浅いピントが似合う季節になりました。

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秋の空にそびえ立つパンパスグラス。
動物のしっぽのようでもあり、掃除用具のようでもある。

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花の少ないこの時期、
ホトトギスは地味ながらも貴重な彩り。

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ケンポナシの結実。
果実の根元の葉柄に梨のような風味があるため、この名がある。
青くさいんだけどね。


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ツルウメモドキの実は目に楽しい。
いけばなでも素敵アクセントに使われるだよ。

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気温が下がるにつれ虫たちがその姿を消してゆく中、
数頭のモンシロチョウがちらほらと舞っていた。
派手さはないし珍しくもないけど、実はけっこう可憐な蝶だと思う。

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ヤブムラサキの実は、
ムラサキシキブ(コムラサキ)同様にウメミンツのぶどう味にしか見えない。
あれ、グレープミンツ?


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べろんちょ

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紺菊。
図鑑類だと標準和名は原則カタカナ表記なので仕方ないが、
コンギクと書くと妙に違和感がある。
コンボイとかコンエアーとか筋肉脳系の映画を連想してしまうからかもしれない。

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すでに盛りを過ぎたシオン。こちらはカタカナでもそれなりに風情がある。
ダミ声っぽいけど。

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ヒマラヤスギの雄花。
雌花も同じ木に咲くが、もっと上の方で花粉が飛んで来るのを待っている。
スギとは名ばかりでマツ科の植物であるため、
果実はでっかい松ぼっくりが生るよ。

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帰り道の上に茎を伸ばしていたヒヨドリジョウゴの実。


今年も冬が近いちゅん。
布団から出るのが億劫になるちゅん。
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なんか変な萌えキャラみたいなトークになってるちゅん。
【2009/11/06 07:07】 | 未分類 | page top↑
そこらの秋
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買い物ついでの50mm/1.4一本勝負。

さざんか。
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南天。
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ななかまど。
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花梨。
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いちょう。
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かえで。
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柿。
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なんかもうすっかり晩秋の気配漂う11月、文化の日。
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皆さんあったかくしてお休み下さい。
【2009/11/03 18:36】 | 未分類 | page top↑
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