文月、夏到来。
うっかり今月初更新。
20日には今はなきWebマガジンKATANAにて連載しておりました『原色ひまつぶし図鑑』がイーブックジャパンより電子書籍化。
刊行にあたって、作家・宮内悠介さんが対談をご快諾して下さいました。
http://www.ebookjapan.jp/ebj/content/sakuhin/415436/index.asp
宮内さん、与太話に付き合って頂いて本当にありがとうございます。
漫画自体も与太話の塊ではありますが、同時に私という人間の集大成でもあります。
よろしくお願いいたします。

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そして『里山奇談』はおかげさまで引き続き好調です。
https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782
今回もそんな里山で出会った連中を紹介させて頂きます。ふだんより写真10枚ほど増量。重たかったらすみません。

今年も会えたおなじみの顔。
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キングオブ普通種のゴマダラカミキリさんは、なにげなく振り向いた目の前の木によいしょととまっておられたりする。
つい嬉しくなってばしゃばしゃ撮ってしまう。
めずらしい顔も驚きがあって楽しいが、いくら見慣れていてもやっぱり嬉しくなる邂逅というものがある。
ゴマダラやキボシ、ノコギリやウスバ、ラミーといったなじみのカミキリ類は、私にとってそういう相手。旧知の仲というか。
もちろん向こうはぜんぜんそんなこと思わないだろうけど。はっ片想いなのか。

これも同じ。市街地でも普通に見られる野生蘭、ネジバナ。
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かなりしっかり巻きの入った一株でした。

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だいぶ育ってきた稲の陰で油断する殿様をスナップ。
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いつも言ってるけどビビリだからね殿様。油断したところを狙うのが定石。

このふた月くらいでかるく数十尾は出会っているイモリ氏ではあるが。
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一向に飽きるでもなく拾えるものなら拾ってしまう。
下の手乗り個体は陸にあがって休んでいたもので、だからちょいと乾いている。
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乾燥した両棲類(の生きてるやつ)というのはなかなか珍しい。
といって別段弱ってるふうもなく、手に乗せたら元気によちよち登ってきた。
元気なら、うれしいね(by 高橋幸宏)。

クラムボンはかぷかぷ笑ったよ(定期コメント)。
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親子じゃなくて夫婦かな、あるいは。

こちらのサワガニは赤い。
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うっかりボイル済みかと思った。家の近所の個体群が青白い都会っ子たちなので、こうも赤いと別種のように思えてしまう。

あまがえるのお子たちが育ってきた。
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まだまだ小さいけど、もうオタマジャクシの面影はない。
いっちょまえにあまがえるなので、たいそう生意気である。
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通り雨の残した水滴を飾るコガネムシ。
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後ろ足を上げているのはこの仲間の警戒のポーズだと言われている。
あまり警戒してなさそうなときでも上げてる気がするので、本人に聞いてみないと真意はわかるまい。

今年も間に合ったアカダマキヌガサタケ。
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例年よりちょっと遅かったらしい。空梅雨気味だったからなー。
梅雨の時期にはちゃんと雨が降らないとその後の予定が狂うのだ。本邦の季節の推移としては。

キリギリスっぽい声がするけど姿が見えないなあと思ってたら、どうもヒメギスだったらしい。
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うちらにとっての夏の歳時記のひとつ。

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樹液スポットにノコギリクワガタ女子発見。
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あまりのことにカナブン氏も驚きをかくせません。

「あらー捕まっちゃった」
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雄のような迫力はなくともクワガタはやはり嬉しい。
とくにノコギリ女子のたたずまいはどこか洗練されている気がして素敵である。
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ひいき目かもしれんけど。ヒラタやミヤマの武骨さもあれはあれでかっこいいし。
コクワのなんか健気な感じも好きだし。なんでもいいのか。

同じクヌギで、クワガタのようなそうでもないようなひとに遭遇。
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これはコカブトムシですかね。そんなに頻繁に会える相手ではないので現場での同定に自信がもてなんだです。
下も同じ個体。
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胸のスリット状の窪みはメスの証。男子はここに指で押したような窪みがあり、頭に短ーい角がある。
オスには東京の里山で会ったことがあるのだけど女子はこれが初見でした。
まだまだ新たな出会いはあるもんです。諦めちゃいけないよ、みんな。

ちょっとふうがわりなお客つながりでは、ニジゴミムシダマシの仲間にも会いましたよ。
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ヒメニジゴミムシダマシかな? 虹色のちいさな甲虫です。
このひとにも以前東京で会ったことがある。
そのときにマクロライト落として失くしたから覚えてるんだおらあ。しくしく。

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カナヘビ君は擬木とか縄とかいろいろ陽のあたる場所が大好き。
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爬虫類は日光浴しないとね。

宮沢賢治『風の又三郎』に「青いくるみも吹きとばせ」という一節がある。
くるみの実は青いのです。
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緑色だけど。まあ青信号も緑だしね。緑を青とよぶのはなんでだろう日本人。

また会えたゴマダラさん。こっちは女子かな。
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ごまだらかみきりっ! な感じのポートレートを頂きました。

ニイニイゼミを拾う。だいたい毎年拾っている。
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アブラとミンミンとヒグラシも毎年拾う気がする。

この季節は巣立った雛が親のあとをついてまわっていることが多い。
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幼鳥はたいがいくちばしに黄色い馬蹄班がまだ残っており、よく鳴く。
この子雀もなにごとかを訴えている最中っぽい。もっとも、近くにいる大人の視線はいまいち優しくない。
「えー、また鳴くん? なんなん? 知らんがなもー」とかそんな感じ。

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樹液スポットを見上げていたら大きな蝶がばさばさと飛来するではありませんか。
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ええオオムラサキです。
幼虫の頃はあんななのに、(前回の日記 参照)
ひとたび成人するとカナブンやスズメバチをも追い払う威風堂々たる日本の国蝶になってしまうので、なんというか変態すごい。
この場合の変態は完全変態や不完全変態の変態です。いやまあ一般的な変態もすごいとは思いますが。

クワの木になじみのお客を発見。
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冒頭でゴマダラと一緒に名前を出したキボシカミキリさんです。
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ずいぶん小さ目の個体だったけど、この存在感大好き。

そして同じクワの木にちょっと変わったお客も発見。
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トラフカミキリはスズメバチに似せたベイツ型擬態の代表として名高い。
図鑑や写真で見ると「そりゃ色味はそうかもしれないけど、普通にカミキリじゃん?」と思います。
けど、実際に出くわすと確かに一瞬えっスズメバチ!? ってなったね。思いの外有効だよ擬態。
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虎斑とはよく言ったもので、ちょっとモフり感がある点も手伝ってじつにトラっぽい。
トラと見間違える捕食者もいるかもしれない。
無理かな。

スケバハゴロモは透羽羽衣。
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まったく珍しくないけど、1センチ足らずのこの昆虫を仔細に眺めてみるとその精巧な細工に改めて驚く。
分類としてはカメムシ目に属する。
カメムシ目っつってもこれらハゴロモやらセミやら多岐にわたる仲間を含むので、昔ながらの半翅目って呼び方の方が好きなのじゃ。
代表種をカテゴリ名に適用してしまうやり方は、ネコ目イヌ科とかになって混乱を招くのであまり好きでないのじゃ。

「そうだそうだ」
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「べつにどっちでもいい」
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宝石のような甲虫を拾った。
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ミドリセンチコガネ。
さまざまに地域変異がみられるオオセンチコガネの、関西の一部地域にみられる緑色の個体群なのだ。
基本関東の人間なのでセンチコガネの色は紫だと思っている。
青色のルリセンチコガネは奈良で見られることを知っていて探しに行ったことがあるが、今回はまったく心の準備をしていなかったので正直ビックリした。
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なお前にも申しましたがセンチコガネは雪隠黄金です。むやみに手乗りにする行為は積極的にはお薦めしませんねんのため。

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7月9日の夜の月。うわもう2週間ちかく前か。
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まだまだ暑い季節が続きます。皆さんどうか水分補給を忘れずに。
【2017/07/22 02:51】 | ネイチャー | page top↑
六月の水辺
『里山奇談』おかげをもちまして重版出来。
twitterでも色んな方々に読んで頂いており、嬉しさをかみしめております。
皆さんのツイートの拡散や御礼はcocoさん玉川さんお任せになってしまって心苦しいのですが、できる限り目を通して感謝しております。
ありがとうございます。

あれらの物語が産まれ語られた舞台を、今回もご紹介してゆきますよ。
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里山ではヤマサナエと並んでよく出会うコオニヤンマ。
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これも実はサナエトンボの仲間なので、このように植物や石の上に止まっている姿が多くみられる。
ヤンマ類はこういう休み方はせえへんのじゃ。

トノサマガエルの緑色は、なんとなくスイカを連想させる。
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広角でけっこうぎりぎりまで近づいて撮ってみた。
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殿様はかなりビビリなので遠くからでも気配を察して逃げてしまう。
しかしいちど油断させてしまえば、じりじり近寄られる分にはまったく気にしない。
そのあたりのライン引きがよくわからん。お殿様の考えることは不明だぜ。

ミヤマカワトンボ。
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翅をじわーっと開いた際、セロファンのような影が落ちるのが好きでしてね。
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今期初ナミハンミョウ。
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山道で登山者の前を案内するように飛ぶことからミチオシエの異名を持つ虫だが、私はだいたい水辺でみかけることが多い。
餌となる小さい虫たちがたくさんいるからだろうか。
タマムシよりはるかに小さいが、その輝きと存在感は勝るとも劣らない。
普通はもうすこし赤やオレンジの印象があるけど、たまにこうやって寒色系の個体に出会う。

恥ずかしがり屋のアオダイショウに会ったよ。
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蛇のみなさんも獲物を求めて水辺にいることが少なくない。
比較的気の荒い種類ではあるが、くりくりした目は可愛らしい。ヤマカガシやマムシは悪相やけんね。

これも美しいアオハダトンボ。
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とはいえ詳しい方々はご承知の通り、ハグロトンボとアオハダトンボの見分け方というのはなかなか難しい。
ハグロトンボはいわゆる極楽トンボの異名をもつ、黒い翅をひらひらさせてとぶトンボです。
で、本当にこれアオハダなん? ハグロと違うん? と聞かれると正直そこまでの自信はありません。

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しかしハグロをさんざ見てきた身としては、こんなに綺麗さに息を呑んだ経験はなかったので。
希望も込めてアオハダトンボだと思い込んでおきます。

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アジサイの学名がハイドランジアだと知ったとき、ウルトラセブンの潜水艦とイメージが重ならなくて混乱したのは私だけではあるまいと睨んでいる。

カラムシの葉にやってくるラミーカミキリたち。
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けっこう毎年律儀に見かけるので、そのたびに嬉しくなって撮ってしまう。
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飛行機雲の裏に伸びる影みたいのはなんなのかなあ。
なにかふしぎな飛行機の残したシュプールなんだろうか。

学校に向かう途中の住宅地で出くわした野生のバンビちゃん。
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鹿の目ってくろめがちで本当に優しい。

「やべえ変なおっさん来た。逃げよ逃げよ」
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増えすぎた場所では害獣になってしまっているニホンジカ。
なるべくならけんかせずに一緒に生きていければなあ、と思う。

ノカンゾウのユリとしてはすこし野暮ったい佇まいが好きです。
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パトロール中のクロスジギンヤンマ雄。
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だいたいこうやって延々飛び回っており、ミラーレスで追い写しをする腕の持ち合わせがないのでいつも苦労する。
だって一眼レフより軽いんだもん。

そんなクロスジが疲れからか黒塗りの高級車に、ではなく、めずらしく一休みしてくれた。
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ヤンマが休むときは、基本的にこうやって垂直にぶらさがる。手は疲れないのかしらん。
以前ツイートした通り、実物を見たことがあるトンボとしてはいちばん好きな種類である。
黒味があって締まったカラーリングと、ブルーに輝く巨大な複眼にいつまでも見とれてしまう。

昼間のゲンジボタルに手乗りしてもらう。
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ホタルというのも水ぎわの生きもので、昼間はそのへんの草や木の上で休んでいる。
写真は表側だけど裏返すと発光器がわかるよ。

ヤマサナエ。コオニヤンマの項で述べたように、石の上に止まっております。
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エノキの木で葉っぱを食べていた大きないもむしに手乗りを願う。
あれこれ葉っぱじゃないよ、と怪訝そうにとまどっているこの子は、国蝶オオムラサキの終礼幼虫である。
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このあとエノキの葉に擬態したさなぎになり、羽化してあの大きな蝶があらわれるのだ。
こんなよちよちしてるのにね。

そりゃービックリだケロ。
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田んぼの底になにやら黒い生きものがいるのがおわかりですか。
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これはイモリたちがだらだらしておりますのです。

横の用水路にいたのをかるくイモリすくい。
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持って帰りませんけどね。

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低い物置の屋根の上できょとんとしているのは、シジュウカラの子だ。
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これは飛ぶ練習をしている雛であって、いわゆる「拾ってはいけない」案件です。
だいじょぶかなと見ていると、このあとウッドストックみたいな感じで畑の方によたよた飛んで行ったのですこし安心した。
すると、直後にさあっとその後を追ってゆくものがいる。
近くで見守ってた親鳥かと思って望遠で覗いてみたら、これがびっくりモズだった。
モズ的にはシジュウカラの雛なんて狩りやすくておいしいばんごはんである。ひい!

しかし半狂乱で後を追って来た親たちが大騒ぎしてモズを追い払い、どうにかことなきを得た。
よかったよかった。これからは気をつけてね、
ちゃんと育つといいな。

そんなこんなで里山にも夜のとばりが落ちる。
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たぶん、ここからはほたると怪異の支配する時間。

だから、おしまいにもいちど宣伝。
https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782
よろしくお願いします。
【2017/06/24 18:38】 | ネイチャー | page top↑
続・里山の住人たち
『里山奇談』刊行直後の里山おさらい編。

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里山とは即ち里であり山である場所に他ならない。
人間の領分である里と自然の領分である山の境目だ。

そこにはいわゆる大自然の営みとともに、常に人間の営みがある。

ハルジオンの花に吸蜜するアオスジアゲハ。
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レア度で言えばスライム級にそのへんにいる蝶々だが美しいものは美しいのじゃ。

ほの暗い池の水面に顔を出しているのは、若いウシガエルである。
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期せずして不気味な構図になったものの、この不穏な佇まいの食用モンスターはめちゃめちゃビビりだ。
ひとの気配を察すると「キュッ」と悲鳴を上げて隠れてしまう。まあ食用だしねえ。

ユリノキが高い梢で花をつけていた。
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まさしくこのチューリップっぽいお花の故に「百合の樹」という名前の樹木だ。ガールズラブとは関係ございません。たぶん。
この季節のひとつの楽しみなんだけど、なかなか低い枝には花をつけてくれないのでどうしても望遠頼りになる。
高嶺の花か。

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ブロック塀に黄緑色の置物がひとつ。
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アマガエルは体色を変化させる擬態ギミックをお持ちなので、石の上などでは灰色に化けていることも多い。
そのような努力のみじんも感じられない個体である。むろん死んでいる訳ではなく、指で突っついてみたら普通に逃げた。
最初から見つからない工夫しようや。

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入浴剤風な浮き草にまみれてご機嫌なトノサマガエル。
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苦しゅうない近うよれ。

そんな殿様を陸の上からなんともいえない表情で見ているツチガエル。
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相手は殿様っすからね。

拾えるイモリは拾います。
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田んぼに発生中のホウネンエビ。よーし今年も豊年満作だ。
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いわゆるブラインシュリンプとかシーモンキーのたぐいに近い生きものです。
この写真にはおりませんが、探すと卵を抱えている雌も見られるぞ。

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巣立ちの近いつばめの兄弟がほわほわしております。
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来年の今頃はここに戻ってきて巣をかけるのかな。

アゲハ春型。夏型よりひとまわり小さいよ。
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今年も真っ赤なショウジョウトンボが現れました。
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毎年言ってると思うけど分類としてはいわゆる「赤とんぼ」ではありません。
これ以上ないってくらい赤いんだけどね。

いっぽうこちらの青黒いトンボはハラビロトンボの雄。
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以前見たやつはもっと黒かったけど、今年のはちょっとネイビーな色味を含んでまた美しい。

どう見ても蝶のような気がするのにイカリモンガという名前の蛾です。
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じゃあ蝶と蛾っていったい何がちがうのかって話になるのだが、それは私にもようわかりません。
アゲハやモンシロ、ヤママユにヒトリガなんかはまあ素直に蝶や蛾やなあと思うけど、この手の境界例になると皆目見当がつかず。
なお名前の由来は「碇紋蛾」。翅を開くと茶色の字に鮮やかなオレンジ色の碇型の紋様があるとです。

手の上で挨拶してくださるアカスジキンカメムシ。
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以前も申しましたがこの人たちは機嫌を損ねると独特の臭いをお発しになられます。
なので、無理に捕まえたりせず自主的に指にのぼってきて頂きました。いえーい。
近年はカメムシと頗る好ましい関係を築いている私です。何の得があるかは知らん。
今昔物語に出てくる蜂使いみたく悪い人を襲わせればいいのかな。

花に集まるカミキリの仲間は、サイズは小さいけど美麗なものが多いのじゃ。
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これはキイロトラカミキリ。
こういうちまちましたお花がだいたい虫たちには人気です。

浅い水の底でのんきな風情のホトケドジョウ。
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ドジョウの顔って緊張感がなくて好きでしてね。

足元ですばやく跳ねたのはニホンアカガエルかな。
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ユーモラスな佇まいのものが多いカエル一族で、アカガエルの仲間ってちょっと精悍な気がする。
体格もボテッとしてなくてなんだか油断がない。

そしてこちらは油断を絵に描いたようなシュレーゲルアオガエル。
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何をしているのかよくわからない。ひなたぼっこなのかもしれない。
このあと頭の上にハエが止まった。
とくに動じる様子はなかった。

ミゾソバの葉の柔らかな緑色の上の紅一点。
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フジハムシかな?

食休み中のヤマサナエ。
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このほかクロスジギンヤンマも出ていたが、追い写しすること能わず。
ちょっと悔しい。

コウゾの木からぶら下がる大きな白い泡の塊は、モリアオガエルの卵塊。
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やがて産まれてくる子どもたちを守るために、親たちがいっしょけんめい泡立てたクリームです。
触りたくなるのを我慢してそのまま立ち去る。
みんな無事育つといいな。

帰りしなに路傍の枯木を見たら、ずいぶん小さなお友達を発見。
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今シーズン初コクワガタ。

ぷんぷん怒っているのだが、何しろ小さいので威力がない。ごめんごめん、何枚か撮ったら放すからね。
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カブト・クワガタ類に会うとテンションが上がるのはかれこれ数十年変わらない習い性だ。
いよいよもって夏の到来だな、と思う。

次は梅雨入り前か、梅雨明けあとか?
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梅雨の最中もありかな。

こんな里山を渉猟する三人の散策者があつめた幻風景です。
里山奇談。https://www.amazon.co.jp/dp/4041050782 よろしくお願いします。
【2017/06/03 14:40】 | ネイチャー | page top↑
里山の住人たち
『里山奇談』刊行直前の里山詣ですよ。
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川沿いで出会ったジョウカイボンの仲間。キンイロジョウカイかな?
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甲虫類としてはちょっと柔らかめの装甲を持つ連中です。それでも性質はなかなか獰猛。

美しい声音で縄張りを主張するカジカガエルくん。
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岩の上にいるときは油断なく周囲に気を配っているため捕えるのはなかなか難しい。
対して水の中でじっとしているときは油断しまくりなので、あっさり捕縛される。

「あれっ捕まっちゃった?」
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両生類は長いこと手乗りしていると人間の体温で弱ってしまうので、なるはやで放流しましたけど。

のんきに電柱で休んでいるのはムカシヤンマ。
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トノサマガエル半身浴。
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トウキョウダルマガエルでなくトノサマガエルです。たぶん。

いわゆるカワトンボは近年アサヒナカワトンボとニホンカワトンボに二分されたのであるが。
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それまではオオカワトンボとニシカワトンボとヒガシカワトンボに三分されてたんですよこれが。

で、結局DNA鑑定の結果2種類に落ちついたらしい。
当方そのような鑑定技術の持ち合わせはないので、今後も従来通りカワトンボとして愛でてゆきますよろしく。
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本当に綺麗な生きものだと思う。

「クラムボンは笑ったよ」
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きっと川底でそんな会話をしているサワガニの親子。
もう寝ないと明日イサドに連れてってもらえない。

朽ちた竹の棒っこに矢二郎兄さん@有頂天家族 が嵌まっていた。
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あまがえるに会うとつい遊んでしまうのだが、扱いに関してはカジカさんと一緒です。
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あとアマガエルやイモリは行きがけの駄賃に皮膚から毒を分泌したりするので、ふれあいの後はよく手を洗いましょうね。
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遠くのアシ原から濁ったけたたましい叫び声が聞こえる。
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真ん中へんにオオヨシキリがいるのがおわかりだろうか。
口をいっぱいに開けて声を限りに叫ぶ様子はなんだか胸を打つのだが、いかんせんやかましい。
何かの選挙に立候補しているのかと思うレベルである。

久しぶりに会った。足元の底泥にぬうっと洗われた魚影は、ライギョである。
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魚種としてはタイワンドジョウとカムルチーをひっくるめて雷魚なのだけど、これはどっちかわかりませぬ。
因みにこの仲間はスネークヘッドの名で観賞魚として流通している。
蛇頭ですよ蛇頭。

トノサマガエルのお尻に近づく怪しの影。
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イモリくんでした。
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正面から見るとカエルと顔が同じだと思う。

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なんだかけっこう久しぶりにタニシを拾ってみた。
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とくに珍しくはないんだけどあまり拾ったりしないやね、タニシ。
どことなく垢抜けない存在感が楽しい。泥臭いのかな、タニシだしな。

キジのカップルに遭遇。
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最初は雄の方がだいぶ遠くから「あっめっちゃタイプ」みたいな雰囲気で迫って行ってたんだけど、女子の方もまんざらではない様子でした。
よかったねえ。

この時期のスズメバチさんはそんなに怖くない。
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諸先輩方のように捕まえたり手乗りにしたりはしませんけども。
巣材探しなのか、樹皮をがじがじ齧っておいででした。

テントウムシとしては本邦最大種のカメノコテントウ。
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むろん亀の子よりはぜんぜん小さいが、どっしりとした存在感がありたいへん美しい。普通にアクセサリーっぽい。

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なにやら黒っぽい蛇くんがいそいそと道を渡ってゆく。
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一瞬ヒバカリかとおもって手を出しそうになったが、鎌首を持ちあげたその人相にどことなく見覚えがあった。
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黒目がちは可愛くもあるが、目のすぐ上の鱗のせいで怒ったような顔つきになっている。
戻って調べてみて正体が判明する。ヤマカガシの近畿型だった。
道理で知ってる顔だと思ったぜ。関東組は黒と赤と黄色のだんだら模様がポピュラーなのでわからなかったのだ。
攻撃的なヘビではないが、奥歯に仕込まれた毒はけっこう強く、ごくまれに死亡例が報告されている。
手を出さなくて良かった良かった。

ツバメのドヤ顔。
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なにが自慢なのかはよくわからない。うんうん、かっこいいよ君。

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茂みの中でがさがさ動く気配があった。そこそこ大きなサイズの鳥っぽい。
シロハラか、カラスあたりが来ているのかと何気なくカメラを覗いてみると、ちらりと青い模様が見えた。
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カケスである。
光量不足なロケーションで苦労したが、とりあえず全身を捉えることはできた。いやあカケスだカケスだよ。
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落ちつかなくガサガサぴょこぴょこ飛び回っているのはどうも遊んでいるようだった。
カラスの仲間で、頭がよろしいのである。

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さて『里山奇談』、こんなような場所で私ども3人が出会ってきた不思議かつ懐かしい挿話を書きとめた一冊です。
どうぞよしなに。
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【2017/05/20 23:01】 | ネイチャー | page top↑
初夏のおとづれ
気温が一気に上がり、小さな生命どもが浮かれだす季節の到来。
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レンゲとスズメノテッポウのお花畑。
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みつばちたちが集っているのを見ると、レンゲの蜜の味を想起してがんばれがんばれと応援してしまう。
おれのために蜜集めてるわけじゃねえよ。すみません。

餅を包んでいないかしわの葉。
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桜餅の包装葉は食べるけど柏餅の葉をいただくツワモノはおられるのか。
塩漬けじゃないしなあ。

陽射しを受けて温まった石の上で休むアカタテハ氏。
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もっと細かい柄のヒメアカタテハは秋口によく見かけるのだが、アカタテハとの邂逅は比較的ランダムだ。
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なので、会えるとちょっと嬉しい。

ナルコユリとアマドコロとホウチャクソウの見分けができなくて毎年混乱する。
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そいで毎年確認しては「ああそうだった」と思うのだが、翌年にはまた忘れて途方に暮れるのだ。いいかげん学習したいです。
たぶんこれはホウチャクソウ。

アミガサタケの皆さんがけっこう派手に発生しており。
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これは採って集めたのではなく自然にこういう状態で生えてましてん。
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あまりのことに目が眩みかけたが、準備もしてないし散策開始直後で荷物を増やすわけにもゆかず、そのままにして立ち去る。

アマナの花でじゃれるニッポンヒゲナガハナバチのカップル。
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触角の短い方が女の子ですね。

くるみの仲間の梢を見上げるのが好きだ。
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葉の付き方のために一種同心円状の独特のテクスチャーが浮かび上がるのが楽しくて。

被写体ぶれはご勘弁。こちらはツマキチョウの追いかけっこ。
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名前の由来となった、翅の先端に黄色斑があるのが男の子です。

こちらはユリノキの高い梢に翅をやすめるモンキアゲハ。
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写真では白く見える模様は羽化直後から次第に黄色みを帯び、標本などをみるとなるほど紋黄アゲハだと納得する。
でも生体だといつも一瞬シロオビ? と頭に浮かんでしまうのだ。
しかしシロオビアゲハは基本的に南西諸島にしかいないのだ。
まあみごとに北上を遂げたツマグロヒョウモンの例もあるし、この調子で温暖化が進むと百年後くらいにはふつうに本州に分布してるかもね。

オトシブミがいっしょけんめい作った「落とし文」。
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3ミリほどのおおきさの虫は、自分の十倍以上はある葉っぱを器用に丸めて子どものためのゆりかごを作る。

ベニシジミはシジミチョウ界の"町娘"だと思っているよ。なにかおきゃんな感じで。
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地表近くを元気よく飛びまわっていたちいさなコガネムシたち。
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おそらくウスチャコガネの雄か。りっぱな触角がトナカイみたいだよ。

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林床の開けた一角に黄色い燭台が灯っていた。
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キンランだ。
今年も会えてうれしいな。元気そうでなにより。
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用水路ではカラスアゲハが呑気に水を呑んでいらっしゃる。
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ほんとに綺麗な蝶だと思うんだよこのひと。

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カナヘビのすぐ傍でおひげの手入れに余念のないニッポンヒゲナガハナバチの男子。
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背中に花粉の塊をつけた運び屋くんです。

カワトンボ透明翅型。
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カワトンボ褐色翅型のオス。
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全身が白っぽくみえるのは粉をふいているので、これはシオカラやコフキなどトンボ類のオスによく見られる現象でやんす。

カワトンボのペアリング。
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オスは尻尾の先でメスの首根っこを押さえるアクロバティックな体勢をとり、結果的に全体がハート型になっております。
まあラブラブ。

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結実したカラスノエンドウで翅をやすめるコミスジ。
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ひら~ひら~とゆったりしたペースで人の周りを飛び回るよ。

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水べりのジシバリとムラサキサギゴケたち。
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黄色と紫の春色のお花たちはもうそろそろ終わりが近い。

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そして新緑は梅雨を経て夏へと向かうのさ。
【2017/05/08 01:11】 | ネイチャー | page top↑
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